はじめに
弁護士として業務に携わっていると、一般の方の間でも「養育費算定表」といった言葉はひろく周知されており、裁判所が「算定表」を公開していることをご存じの方も少なくないと感じます。法律ではないはずのこの規律が、これほどまでに広く認知され、当事者間でも尊重されている理由は、「算定表」が簡易迅速な算定方法として優れた機能性を有しており、かつ、その結論がおおむね妥当であるからだと考えます。これは「算定表」の策定に携わった碩学らの偉大な功績であると考えます。
この算定表の論理を反映させた計算ツールは、実務家や開発者の手により既に数多く公開されており、相談・調停実務の効率化に大きく寄与してきました。本ツールは、これらと優劣を競い、あるいは代替することを企図するものではありません。もっとも、こうしたツールは、採用する生活費指数や算定表のバージョンといった前提により結論が異なり得るところ、その前提や計算過程を画面上で確認しづらい場合もあると感じていました。そこで本ツールでは、生活費指数・基礎収入率・計算式といった前提と算定の過程をすべて画面に表示し、かつ結果を書面に引用しやすいテキスト形式で示すことに重きを置きました。数ある選択肢の一つとして、目的に応じて他のツールと比較・併用していただければ幸いです。
なお、本ツールには広告が掲載されていますが、本ツール公開のためのドメインやサーバー等の維持管理費に充てる目的で実装しているものです。
なお、本ツールは現在、第三者広告を掲載しておらず、完全無償のツールとして公開しています(将来的に、維持管理費に充てる目的で広告を掲載する可能性はあります)。利用者の入力(年収・家族構成等)は利用者のブラウザ内で処理され、作成者側のサーバーへ送信されません。外部送信の詳細はプライバシーポリシーをご確認ください。
公開にあたり、弁護士法および関連法令・日弁連規程との関係を一通り点検しました。以下はその検討結果です。
本ツールの性質
本ツールは、改定標準算定方式の算定式に、利用者が入力した数値(年収・子の年齢と人数等)を代入し、月額の目安を画面に表示するだけのものです。事実認定も、特別事情の評価も、算定表からの逸脱可否の判断もいたしません。「家庭裁判所がこの数式に従って判断する場合の概算」を機械的に出すだけの、いわば電卓に近いものとお考えください。
弁護士法第72条との関係
同条本文は、弁護士でない者が報酬を得る目的で訴訟事件その他一般の法律事件に関し鑑定その他の法律事務を業として取り扱うことを禁じています。私は弁護士ですので、まず本文が直接の名宛人として禁ずる主体には当たりません。もっとも、本ツールはソフトウェアとして家事に関する数値の出力を行うものですので、自戒のため、法務省大臣官房司法法制部「AI等を用いた契約書等関連業務支援サービスの提供と弁護士法第72条との関係について」(令和5年8月)が示した判断枠組に沿って整理しておきます。同省の整理は、本条との関係を「報酬を得る目的」「訴訟事件…その他一般の法律事件」「鑑定…その他の法律事務」の三要件に分解し、各要件のいずれかを欠けば本条違反は生じないとするものです。以下、各要件を順に検討します。
「報酬を得る目的」について 同省整理によれば、「報酬」とは法律事務取扱いのための役務に対して支払われる対価をいい、現金に限らず物品や供応も含み、第三者から受け取る金銭等も対象となり得ますが、いずれも本件サービスの提供との間に実質的な対価関係が認められることが必要とされています。本ツール本体の利用は無料で、私は利用者から金銭等の利益供与を一切受領しません。本ツールは第三者広告を掲載しておらず、広告掲載料その他いかなる名目の収益も生じません。利用者の法的課題の解決や特定弁護士への送客に紐づく成果報酬・アフィリエイト、自らが提供する他の有償サービスへの誘導、会費・サブスクリプション等で利用資格を得た者にのみ提供する形態のいずれも採っていません。同省整理が「報酬」性を肯定する典型例(同整理1(2)ア〜ウ)はいずれも本ツールには当てはまらず、対価関係はそもそも存在しないと考えています。
「報酬を得る目的」について 同省整理によれば、「報酬」とは法律事務取扱いのための役務に対して支払われる対価をいい、現金に限らず物品や供応も含み、第三者から受け取る金銭等も対象となり得ますが、いずれも本件サービスの提供との間に実質的な対価関係が認められることが必要とされています。本ツール本体の利用は無料で、私は利用者から金銭等の利益供与を一切受領しません。第三者広告から得る掲載料は広告枠提供への対価であって、利用者の法的課題の解決や特定弁護士への送客に紐づく成果報酬・アフィリエイトではなく、また自らが提供する他の有償サービスへの誘導や、会費・サブスクリプション等で利用資格を得た者にのみ提供する形態も採っていません。同省整理が「報酬」性を肯定する典型例(同整理1(2)ア〜ウ)はいずれも本ツールには当てはまらず、対価関係はそもそも存在しないと考えています。
「法律事件性」について 同省整理は、「事件性」を、訴訟事件・非訟事件・行政庁に対する不服申立事件に準ずる程度に法律上の権利義務に争い・疑義があることをいうとした上で、契約の目的・当事者の関係・経緯等諸般の事情を考慮して個別に判断するとしています。本ツールは、特定の利用者の紛争を取り扱うものではなく、年収・家族構成といった抽象的な数値入力を、家庭裁判所実務で確立された改定標準算定方式の数式に一律に当てはめるだけのものです。利用者個別の紛争状況・経緯・特別事情はそもそも本ツールに入力されず(連絡先入力欄も設けていません)、私は利用者を識別する手段を持ちません。利用者がどのような目的で本ツールを使うか(家事事件の検討、研究目的、家計の試算等)も問わず、本ツール上では具体的な「事件」が観念されません。したがって、本ツールが個別の「法律事件」を取り扱っているとは整理しがたいと考えます。
「鑑定…その他の法律事務」該当性について 同省整理は、「鑑定」を「法律上の専門的知識に基づき法律的見解を述べること」と定義し、本要件該当性は「サービスにおいて提供される具体的な機能や利用者に対する表示内容から判断」すべきとした上で、契約書作成支援サービスを例に、(i)利用者の入力に応じて個別事案を「法的に処理」した上で個別具体的な内容が表示される類型は該当し得るのに対し、(ii)あらかじめ登録されたひな形が機械的に選別されるか、入力内容が字句的に反映されるにとどまる類型は通常該当しない、と整理しています(同整理3(1))。本ツールが行うのは、確立された数理モデル(改定標準算定方式)への利用者入力の代入のみであり、入力値の真偽の評価、特別事情の斟酌、算定表からの逸脱可否の判断その他の専門的判断はいっさい含みません。これは同省整理にいう(ii)型——あらかじめ設定された数理モデルに入力値が反映されるにとどまる類型——に近接します。さらに、結果表示の前には免責ダイアログにおいて「本ツールは個別事案の処理方針の判断ではない」旨を改めて確認していただいています。以上から、本ツールが「鑑定…その他の法律事務」を提供しているとは考えていません。
なお、内閣府規制改革推進会議AI・法務ワーキンググループにおいても、上記法務省整理と整合する方向で、ソフトウェアによる「専門的知識に基づく法的見解」の表示への留意が議論されています。本ツールは上記いずれの整理に照らしても第72条と抵触するものではないと考えます。代理・仲裁・和解・周旋についても、本ツールは連絡先入力欄を置かず(画面下部の「ご意見・ご要望」フォームは匿名・連絡先非取得・一方向の改善意見の受領のみで、相談・受任の動線ではありません)、第三者広告も掲載していませんから、広告枠を経由した間接的な送客性が問題となる余地もなく、「周旋」該当の余地はないと整理しています。
なお、内閣府規制改革推進会議AI・法務ワーキンググループにおいても、上記法務省整理と整合する方向で、ソフトウェアによる「専門的知識に基づく法的見解」の表示への留意が議論されています。本ツールは上記いずれの整理に照らしても第72条と抵触するものではないと考えます。代理・仲裁・和解・周旋についても、本ツールは連絡先入力欄を置かず(画面下部の「ご意見・ご要望」フォームは匿名・連絡先非取得・一方向の改善意見の受領のみで、相談・受任の動線ではありません)、また第三者広告について成果報酬・アフィリエイト型の提携を採用しません(後述「弁護士法第27条との関係」参照)から、広告枠経由の間接的な送客性も含めて「周旋」該当の余地はないと整理しています。
弁護士法第27条との関係
非弁業者から事件の周旋を受けたり、自己の名義を貸したりすることは禁じられています。本ツールは、弁護士紹介サイトや士業関連業者からの送客を受ける仕組みを一切置いていません。第三者広告も掲載しておらず、広告を経由した送客や名義貸しが問題となる余地もありません。なお、将来、第三者広告を設置する場合にも、成果報酬型・アフィリエイト型の提携は採用せず、第72条違反のおそれがある業者の広告は表示しない運用(実装上はブラックリスト方式または審査済みホワイトリスト方式)といたします。
非弁業者から事件の周旋を受けたり、自己の名義を貸したりすることは禁じられています。本ツールは、弁護士紹介サイトや士業関連業者からの送客を受ける仕組みを一切置いていません。第三者広告についても、成果報酬型・アフィリエイト型の提携は採用しません。また第72条違反のおそれがある業者の広告は表示しない運用(実装上はブラックリスト方式または審査済みホワイトリスト方式)といたします。
弁護士法第23条(守秘義務)との関係
守秘義務との関係では、そもそも秘密が私の手元に届かないようにすることが最も安全だと考えました。利用者の入力(年収・家族構成等)はすべて利用者のブラウザ内で処理されます。具体的には、タブを閉じれば消える sessionStorage に一時的に置かれるだけで、私が管理するサーバーには送信されません。私は利用者が何を入力したかを認識しませんし、利用者を識別する手段も持ちません。本ツールの利用が弁護士・依頼者関係を生むものでもありませんから、そもそも第23条にいう「職務上知り得た秘密」が発生する余地がありません。
弁護士法第73条・第74条との関係
第73条(係争目的物の譲受け)および第28条(弁護士による係争権利の譲受け禁止)は、本ツールがそうした権利の譲受け・実行と一切無関係ですので、適用関係を生じません。第74条(非弁護士の標示等)についても、私は正規の弁護士であり、画面に表示するのは氏名と所属弁護士会のみです。「法律事務所」を名乗ったり、誤認させる名義を使ったりはしておりません。
弁護士法第30条(営利業務従事の届出)
本ツールは現在、第三者広告を掲載しておらず、本ツールから収益はいっさい生じません。したがって、本ツールの公開それ自体は、営利業務の届出に関する規程(日弁連会規第55号)にいう「営利を目的とする」業務には当たらず、現時点で同規程に基づく届出義務は生じないと整理しています。
もっとも、将来、維持管理費に充てる目的で第三者広告を設置し収益を得る形態をとる場合には、同規程にいう「営利を目的とする」が、実際の利益発生の有無や金額の多寡ではなく活動の主たる目的が収益取得にあるかという構造で判定されると理解していますので、会規第55号第2条第1号に従い、広告掲載開始前に所属の千葉県弁護士会にあらかじめ営利業務従事届出書を提出する方針です。届出事項(屋号・業務内容など)に変更が生じた場合は同規程第4条に基づき遅滞なく届け出ます。届出後は第5条により、私の氏名・屋号・業務内容が所属会の営利業務従事弁護士名簿に登載され公衆の縦覧に供されますが、透明性の観点からはむしろ望ましいと考えています。
なお、ここでいう「営利業務」の収益は、第72条にいう「法律事務取扱いの対価」とは概念的にも制度的にも別物です。仮に将来届出を行うとしても、それは第72条との関係で本ツールの性質を変えるものではありません。
本ツール本体は無料ですが、第三者広告を設置して収益を得る形態をとる以上、その部分には営利性があります。営利業務の届出に関する規程(日弁連会規第55号)にいう「営利を目的とする」は、実際の利益発生の有無や金額の多寡ではなく、活動の主たる目的が収益取得にあるかという構造で判定されると理解しています。
したがって、第三者広告を表示する形で本ツールを公開する場合には、会規第55号第2条第1号に従い、広告掲載開始前に所属の千葉県弁護士会にあらかじめ営利業務従事届出書を提出する方針です。届出事項(屋号・業務内容など)に変更が生じた場合は同規程第4条に基づき遅滞なく届け出ます。届出後は第5条により、私の氏名・屋号・業務内容が所属会の営利業務従事弁護士名簿に登載され公衆の縦覧に供されますが、透明性の観点からはむしろ望ましいと考えています。
なお、ここでいう「営利業務」の収益は、第72条にいう「法律事務取扱いの対価」とは概念的にも制度的にも別物です。第30条の届出を行うことは、第72条との関係で本ツールの性質を変えるものではありません。
個人情報保護法との関係
先に述べたとおり、利用者の入力は私の管理下のサーバーには到達しません。IP アドレスや User-Agent 等の付随情報も含めて、私の側で個人情報を体系的に検索可能な形で保有することがありません。「ご意見・ご要望」フォームから送信される記入内容は作成者側に保存されますが、氏名・連絡先・IP アドレス・端末識別子を取得せず、特定の個人を識別できる情報を含まないため、個人情報には当たらないと整理しています。作成者は、利用者の個人情報・個人関連情報を、特定の個人を検索できる形では保有せず、機能改善の目的に限って取り扱い、個別事案への利用や第三者への提供は行いません。個人データの第三者提供を行わないため、同法第29条・第30条・第31条が定める第三者提供に係る記録の作成・保存義務も生じません。
越境データ移転についても、個人情報保護委員会の FAQ が「外国にあるサーバへの個人データ保存は外国にある第三者への提供に該当し得る」としていますが、本ツールは利用者の入力(年収・家族構成・算定結果)をサーバーに送らず、前記「ご意見・ご要望」フォームの記入内容も特定個人を識別できる情報を含まない(個人データに当たらない)ため、サーバーの設置国を問わず個人データの移転自体が発生しません。同法第23条・第32条等の関連義務も、適用の前提を欠きます。
改正電気通信事業法第27条の12(外部送信規律)
2023年に施行されたこの規定は、ウェブサイト運営者に対し、利用者端末から第三者(広告ネットワーク・解析ツール等)に利用者情報を送信させる場合の通知・公表を求めるものです。本ツールは第三者広告を掲載しておらず、解析ツールその他、利用者端末から第三者へ利用者情報を送信させる仕組みをいっさい設けていません。利用者の入力(年収・家族構成・算定結果)はすべてブラウザ内で処理され、外部へ送信されません。画面下部の「ご意見・ご要望」フォームは、利用者が自ら送信した場合に限り記入内容を作成者と同一オリジン(第一者)のエンドポイントへ送るものであり、本条が中心に置く第三者への送信には当たりません。したがって、本規律が定める通知・公表義務は、その前提を欠き発生しないと整理しています(送信項目・送信先・利用目的はプライバシーポリシーに明示)。もっとも、将来、第三者広告を設置し、広告配信のため利用者ブラウザから広告サーバーへ Cookie 等が直接送信される形態をとる場合には、情報を取得するのは広告会社であって私ではないとしても、広告タグを設置する運営者として通知・公表義務を負いますので、別途プライバシーポリシーで送信項目・送信先・利用目的を明示します。
2023年に施行されたこの規定は、ウェブサイト運営者に対し、利用者端末から第三者(広告ネットワーク・解析ツール等)に利用者情報を送信させる場合の通知・公表を求めるものです。本ツールは第三者広告を掲載しておらず、第三者の解析事業者へ利用者情報を送信させる仕組みも設けていません。本ツールが行うアクセス解析は、作成者自身(ファーストパーティ)が管理する同一オリジンのエンドポイントへ統計情報を送信するものであり、同条が規律の中心に置く第三者への送信には当たらないと整理しています。もっとも、利用者に対する透明性の観点から、当該送信の送信先・送信される情報・利用目的および停止手段を、別途プライバシーポリシーに明示しています。なお、利用者の入力(年収・家族構成・算定結果)はブラウザ内で処理され、外部へ送信されません。
2023年に施行されたこの規定は、ウェブサイト運営者に対し、利用者端末から第三者(広告ネットワーク・解析ツール等)に利用者情報を送信させる場合の通知・公表を求めるものです。本ツールに第三者広告を設置する場合、広告配信のため利用者ブラウザから広告サーバーへ Cookie 等が直接送信されます。情報を取得するのは広告会社であって私ではありませんが、広告タグを設置する運営者として通知・公表義務を負いますので、別途プライバシーポリシーで送信項目・送信先・利用目的を明示します。
弁護士業務広告規程(日弁連会規第44号)との関係
そもそも「広告」に当たるか 規程第2条は「広告」を、自己の業務を知らせる目的のうち「顧客又は依頼者となるように誘引することを主たる目的とするもの」と定義しています。日弁連の運用指針「弁護士等の業務広告に関する指針」(以下「指針」)の第2第2項は、主たる目的の有無を主観のみではなく内容と状況から客観的に判断するとしています。本ツールには、事務所名・所在地・電話番号・メールアドレスといった連絡先がいっさいありません。「ご相談はこちら」「お問い合わせ」のような誘引文言も置きません。利用者からの相談・問い合わせを受け付ける窓口も設けていません(画面下部の「ご意見・ご要望」フォームは、サービス改善のための意見を匿名で受け取るのみで、送信者の連絡先を取得せず、これを通じて私が利用者へ到達する手段も生じません)。著者表示は著作権法上の表示および本規程第9条の遵守のためであって、業務獲得を主目的とするものではありません。指針第2第2項が「広告でない例」として挙げる「著作物の著者紹介」や「SNS の法律解説における作成者名表示」と比べても、本ツールはさらに誘引性の薄い構成になっていると考えます。客観的に見て、本ツールは規程第2条の「広告」に当たらないと整理しています。
仮に「広告」に当たるとした場合の第3条各号 第1号(事実不合致)について算定式は文献値に基づき機械的に処理しており、テストにより数万セルの整合性を検証しています。第2号(誤導・誤認)については結果表示前に免責同意を求め、参考値である旨を確認していただいています。第3号(誇大)については「目安額」「参考値」といった控えめな表現に留め、指針第3第13項が控えるよう求める「最も」「一番」「完璧」「常勝」等の用語も用いていません。第4号(不安あおり)に該当する文言も置いていません。第5号(他弁護士比較)として他の弁護士・事務所への言及はありません。第6号(法令・会則違反)は別途整理している第72条適合性のとおりです(第三者広告も法律サービス・士業関連を排除します)。第7号(品位・信用)について、指針第3第12項が控えるよう求める「専門」「エキスパート」等の用語も使用しません。以上から、各号のいずれにも該当しないと考えています。
指針が名指しする違反類型について 規程第5条・第6条は、特定事件の当事者であって面識のない者への直接到達勧誘広告を禁じます。指針第5第1項(3)および第6第4項(6)は、まさに「婚姻費用・養育費算定シミュレーター」の名前を挙げて、連絡先入力+直接到達勧誘を行う類型を典型的違反例として挙げています。私自身がそのようなシミュレーターを公開する立場であるからこそ、この点は特に丁寧に対応する必要があると考えました。本ツールは利用者の連絡先を入力させる欄を一切持たず、私から利用者への訪問・電話・メール・SMS・SNS 等いかなる勧誘・連絡も発生しません。画面下部に設けた「ご意見・ご要望」フォームは、サービス改善のための意見を匿名で受け取るためのものにすぎず、氏名・連絡先・IP アドレス・端末識別子のいずれも取得せず、作成者から送信者へ返信・到達する経路を持ちません。したがって、作成者はいかなる利用者にも到達する手段を持たず、指針が問題視する「連絡先取得+直接到達勧誘」の構造は本ツールには存在しないと理解しています。
第11条改正への予防的対応 2025年12月5日の日弁連臨時総会で議決された改正により、第11条の保存義務の対象は広告業者との契約書および入出金記録にまで拡大されます(インターネット広告を介した非弁提携防止が立法趣旨)。施行は2026年7月1日、施行日時点で提出済みの広告に係る契約書も保存義務の対象です(経過措置)。本ツールは前述のとおり第2条の「広告」に該当しないと整理していますから、第11条の保存義務も直接の対象にはなりません。本ツールは現在、第三者広告を掲載しておらず、広告業者との契約も存在しませんから、保存義務の対象となる契約書・記録自体が生じません。本ツール内の第三者広告枠についても、広告主体は広告ネットワークであって、私自身の業務情報の伝達ではないため、規程第2条の主体要件を欠きます。もっとも、将来、私が広告業者と直接契約する形態をとる場合には、契約書・入出金記録の3年間保存を別途実装いたします。
その他の条項について 第4条(表示できない事項)の勝訴率・顧問先・依頼者名等は表示していません。第7条(有価物供与)の利用者への金品・ポイント等の供与もありません。第8条(第三者抵触行為への協力)の関係でも、第三者の規程抵触行為に協力する仕組みは設けていません(第三者広告について成果報酬・アフィリエイト型提携は採用しません)。第9条(弁護士等の表示)として、氏名と所属弁護士会を画面上部および脚注に明示しています。第9条の2(通信手段による受任)は本ツールが受任を行わないため適用がなく、第10条(広告である旨の表示)は郵便等直接配布物の規律ですので、本ツール(ウェブ公開型)には直接適用されません。第12条(弁護士会の調査)について、所属会からの照会があれば同条第2項に従い、求められる資料の提出・事実関係の回答・聴聞応答等を行います。
第三者広告の取扱いについて
本ツールは現在、第三者広告を掲載していません。将来的に、本ツール公開のための維持管理費に充てる目的で第三者広告を設置する場合には、本項において、掲出される広告が第三者(広告主・広告ネットワーク)の配信によるものであり私が個別の審査・推奨を行うものではないこと、広告から遷移したリンク先での取引・契約等は利用者ご自身の判断と責任によること、私が広告ネットワーク等から受け取る掲載料は広告枠の提供への対価であって法律事務取扱いの対価ではないことを、改めて明示いたします。
「広告」と表示された区画に掲出されるものは、第三者(広告主・広告ネットワーク)が配信するもので、私が個別の審査や推奨をしているわけではありません。広告の内容についての責任は各広告主にあります。広告から遷移したリンク先での取引・契約等は、利用者ご自身の判断と責任でお願いいたします。私が広告ネットワーク等から受け取る掲載料は、広告枠の提供への対価であって、法律事務取扱いの対価ではないことは前述のとおりです。
免責
本ツールを利用された結果としての判断や行動について、私は責任を負いません。法改正や実務改訂に伴い、本ツールの算定方式が現行の運用と一致しなくなる可能性も当然あります。具体的な事案については、必ず弁護士にご相談ください。相談先は私の所属事務所に限定するものではなく、皆さまがご自身でお選びくださって構いません。
おわりに
本ツールを設計するにあたっては、法務省「AI等を用いた契約書等関連業務支援サービスの提供と弁護士法第72条との関係について」(令和5年8月)、内閣府規制改革推進会議AI・法務ワーキンググループにおける議論(2026年1月時点)、および2026年7月施行の日弁連業務広告規程改正を念頭に置きました。所属弁護士会等から指摘や照会があった場合は、規程第12条第2項に従い、求められる範囲で資料の提出・事実関係の回答等を行い、速やかに対応いたします。関連法令・規程・実務指針の改正動向は引き続き追い、必要に応じて本記載および本ツールの設計を更新します。
千葉県弁護士会所属 弁護士 小宮山 優樹